2022年2月10日
以前、当院では、抜歯と同時にインプラントを埋め込む『抜歯即時埋入インプラント』は行わず、抜歯後3~4ヶ月程度の期間をおいて、インプラント手術を行ってきた。成熟した骨へのインプラント埋め込みを目的としていたわけである。
ただ、患者さんの利益を考慮すると、手術回数が1回で済み、治療期間も大幅に短縮出来る「抜歯即時埋入インプラント」のメリットは大きい。また、前歯部においては、抜歯後、期間をあける事で、表側の骨は容易に吸収し、やせ細ってしまう。その結果、インプラントを埋め込む際、骨を厚くする手術の併用が必要になるケースが多く、治療期間が長期化したり、両隣の歯の歯肉がさがってしまう事があった。
現在、当院では、PRGF (組織の治癒と再生を促進)を併用した 抜歯即時埋入インプラント手術を積極的に行い、患者さんの負担軽減に努めている。
歯根破折(歯の根が割れること)により生じた歯肉の急性炎症である。
インプラントと骨のスペースには、PRGFと混合した骨補填材を填入した。
抜歯即時埋入インプラントには否定的な考えを持っていた時期もあったが、患者さんの早期口腔機能回復を一番に考え、現在では、抜歯即時あるいは早期のインプラント埋入手術を行っている。