大人の虫歯予防で注意したい5つのポイントをご紹介します。
①寝る前の歯みがきに重点をおきましょう
忙しい1日の中で、毎回の歯みがきに時間をかけるのはなかなか大変です。
そこで1日1回、寝る前の歯みがきに重点をおくことをおすすめします。
就寝中は、唾液の分泌量が減り、お口の中の細菌が繁殖しやすくなります。
1日の中で付着した歯垢を、夜寝る前の歯みがきで徹底的に落として
それを積み重ねていく・・・それはひいては健康に年を重ねていくことにも
繋がります。
よく磨けているのか分からないという方のために、
歯の裏側を舌で触れた時にヌメっとしたり、ざらついたりした感覚はありませんか?
その部分は、磨き残しがある可能性が高いです。
実際、どこに磨き残しがあるか確認するには、歯垢を赤く染め出す液で
歯全体を染め出してみるとよくわかります。
②歯ブラシ以外の清掃器具も使いましょう
歯ブラシの他に、清掃器具は使っていますか?
虫歯になりやすい場所は、歯と歯の間と歯と歯茎の境目です。
特に歯と歯の間は、歯ブラシだけでは歯垢(プラーク)を
落としきれません。フロスや歯間ブラシを使うことが、効果的な虫歯予防につながります。
歯と歯の間に残った歯垢(プラーク)が落とせるとお口の中の状態も感覚も確実に変わります。
ピンポイントでブラシが当たるワンタフトブラシは、
磨き残しができやすい歯と歯茎の境目や奥歯の一番後ろ側の歯垢を効率よく落とせます。
お口の状況には個人差がありますので、実際の清掃器具の使い方・選び方は、
歯科医師・歯科衛生士に確認することをおすすめします。
③フッ素入り歯磨き粉を使いましょう
フッ素は、虫歯の原因となる酸の産生を抑制し、歯の再石灰化を促進、
歯の質を強化する働きがあります。
特に大人の場合、加齢や服用している薬(降圧剤、抗うつ剤等)の影響で唾液の量が減り、
虫歯のリスクが高まる場合があります。
また歯周病や磨きすぎにより、歯の根の部分(象牙質)が露出している方も虫歯に注意する必要があります。
心当たりのある方は、高濃度フッ素配合の歯みがき粉をおすすめします。
歯みがき粉のパッケージを確認し、「フッ素濃度1450ppm」と書いてあるものを選びましょう。
尚、注意点として6歳未満のお子様への使用は、控えましょう。
高濃度フッ素配合の歯みがき粉は、2017年に厚生労働省から医薬部外品として
承認されました。
従来のフッ素濃度950ppmの歯みがき粉を、高濃度フッ素濃度1450ppmの物に変えることで、
虫歯予防効果が6%アップするというデータもあります。
毎日何度も使う物なので、自分にあった効果的なものを選びたいですね。
④糖分や炭水化物のとりすぎ・回数に注意しましょう
虫歯は、原因となる細菌が発酵性炭水化物をエサにして酸をつくり、
歯が溶かされて発症します。
甘い物ばかり食べていると虫歯になるとよく言われますが、糖分以外に炭水化物のとりすぎにも注意が必要です。
ここでさらに注目しておきたいのは、ほとんどの食べ物や飲み物(水やお茶以外)には
炭水化物が含まれているということです。
以上を踏まえた上で、食べる楽しみを失うことなく虫歯予防を行うには、
規則正しくバランスよく食べることが大切ということになります。
普段の食生活を振り返った時に、甘いものを頻繁に口にしていたり、
お茶やお水以外の飲み物を頻繁に飲む習慣のある方は、意識的に食べ物や
飲み物を選び直したり、なるべく規則正しい食生活を心がけるだけで
虫歯予防に繋がります。
⑤歯科での定期的なメンテナンスを習慣にしましょう
毎日、自分で行うブラッシングは一番重要です。
そうは言っても、忙しい日常を送る中で、自分だけでお口の中をより良い状態に
保って行くのはなかなか難しかったりもします。
そのような時にサポートしてもらう意味も含めて、歯科での定期的なメンテナンス
(クリーニング)がおすすめです。
自分ではどうしても磨きにくい箇所をプロの手によってケアして
もらい、日常での注意すべきポイントをご自身でも分かっておくのが理想です。
また何か問題が起きた時でも、自分のお口の中を把握している
かかりつけ医がいるのは心強いですね。