食べる・飲み込む・話すといった「お口の機能」は、加齢とともに徐々に衰えていきます。ただそれは、老化だから食い止めようがないものではありません。オーラルフレイルに早めに気づき、かかりつけ医に相談しましょう。
オーラルフレイルに早めに気づいていただくためのチェックリスト
☆自分の歯が20本未満になった(インプラントは、自分の歯として考えません)。
⭐︎半年前と比べて固いものが食べにくくなった。
⭐︎お茶や汁物でむせることがある
⭐︎口の渇きが気になる
⭐︎普段の会話で、言葉をはっきりと発音できないことがある。
5つの項目のうち、「該当」が2つ以上あるとオーラルフレイルです。
オーラルフレイルを放置し、お口の機能障害が起こると、全身の健康にも影響し、フレイル(健康な状態と要介護状態の中間に位置する)やサルコペニア(加齢により筋肉量が減少し、筋力が低下した状態)、低栄養、そして寝たきり(要介護状態)へとつながります。
お口の機能を改善するには
1. 食べる品目数を増やす!
お口の機能が低下すると、麺類やパンなど柔らかいものばかり食べるようになりがちで、お口の機能が衰えていってしまいます。肉や魚、野菜、果物、海藻など、いろいろなものをバランスよく口にすることが大事です。
2. お口の体操をする!
唇や頬、お口まわりや舌の筋力をアップさせるために、「お口の体操」を取り入れましょう。
日本歯科医師会の口腔体操を参照ください。
http://www.jda.or.jp/oral_flail/gymnastics/
3. うがいを意識的に行う!
お口の機能の改善には、ふだんしているうがいに負荷をかけたり、回数を増やすのも効果的です。ブクブク、ガラガラの時間を長くしましょう。
唇をしっかり閉じる力や、のどの筋肉、飲み込む時の気管をしっかりふさぐ力が鍛えられます。
残っている歯を大切にしましょう!
こちらは、ご自身の歯が12本になってしまったご高齢の患者さんのレントゲン写真ですが、数年前から、4ヶ月に一度、定期検診にお越しいただくようになり、残った歯の管理をしっかり行われています。
歯の本数をキープすることは、認知症の予防にもつながります。日々のブラッシングに加え、歯科医院での定期検診も、半年に一度は受けるようにしましょう。