自覚症状のない軽い歯周病を含めると、30歳以上の成人のうち約80%が歯周病にかかっていると言われています。
正しいブラッシングと定期的な検診・クリーニングにより歯周病は予防できますし、軽度なものであれば健康な状態に回復させることは難しくありません。にもかかわらず、日本は他先進国に比較し重度歯周病率が高く、この病気に対する認識が乏しいと言わざるをえません。
また、歯周病菌が心臓病や脳卒中、糖尿病などの病気を誘発する危険も指摘されております。自覚症状がなくても医師のもとで定期検査を受け、早期治療と予防ケアを心がけてください。
こんな症状があったら危険信号!1つでも当てはまる項目がある方は早めの検査を受けてください。
健康な歯周組織
歯肉炎
中等度歯周病
重度歯周病
歯周ポケットを形成した進行性の歯周病は、初期治療では改善が期待できません。
以下、当院で行っている歯周病治療についてご説明します。
(1) スケーリング・ルートプレーニング (SRP)
SRPとは、歯周ポケット内の歯石やプラーク、不良肉芽 (歯周病の治癒を阻害する悪玉の肉芽) を取り除き、歯の根を滑沢なつるつるの面に仕上げる処置のことをいいます。
(2) 歯周ポケット掻爬術 (キュレッタージ)
キュレッタージとは、歯周ポケットに面する歯肉の炎症部分 (上皮と炎症が強い結合組織) を掻爬除去する方法で、基本的にSRPと同時に行います。掻爬後の健康歯肉と歯根面との付着により、ポケットを浅くすることができます。
(3) 歯周外科・歯周組織再生療法
SRP、キュレッタージなどの処置で改善が期待できない重度歯周病の場合、ポケット内の徹底した郭清 (歯周病の進行に伴いたまった悪いものを徹底的に取り去る処置) を行う歯周病外科へ移行することがあります。
①フラップ手術 (歯肉剥離掻爬手術: FOp)
歯肉剥離掻爬手術は、歯肉を剥離翻転 (剥がしてめくること) し、患部を直視しながら、炎症性肉芽組織の除去、深部のスケーリング、ルートプレーニング、歯槽骨の形態修正、骨移植、組織の再生誘導を行うことのできる手術です。
②組織再生誘導療法 (GTR法、エムドゲイン)
歯周病で失われた骨を再生させるための治療法です。フラップ手術と併せて行います。
(4) 光殺菌療法
歯と歯茎の間の隙間が深くなった部分(歯周ポケット)に、薬剤を流しこみ、そこに光をあてます。
光をあてることで化学反応を起こし、活性酸素が発生、細菌を死滅させます。
従来の歯周病治療に加え、追加で行っています。
×ブラッシングが上手く出来ていない方。
プラークコントロールが出来ていなければ、当然、歯周病のリスクは高くなります。
※妊娠中の女性や糖尿病の人も歯周病になりやすいので注意!
歯科治療に関する様々な情報をコラム形式でご紹介しています。
ぜひご覧ください。